1.2GHz F5/F9 ATV送信機                JA1DGF

 はじめに

  固定局どうしのATVのQSO、初めて相手局の映像が自作の送受信機から、素晴らしいカラー映像で、コマーシャル局並に受信出来た時の感動は、机上での高い周波数のATV用実験機では、味合う事の出来ないものがあります。HJ誌No99号のJA6DM局のFM−ATV送信機を参考に実用機を製作しました。

  製作

  ラインナップは第1図です。2.4〜24GHzのトランスバーターに入力出来る様に、0.2〜1.5W出力で周波数は1.24〜1.3GHzを連続可変出来ます。

  変更点は、出力回路に、アイソレーターを入れ同軸心線からPOW・AMPに電源を供給出来ます。カメラ用の10Pのコネクターも取り付けました。本体は1.28GHz F5/F9でローカルQSO用です。

 配線図は第2図に示します、VCOはスワローのMWO1200ATVで ATV用です、当局はATV用が無く、電話用のものを変調端子に入っている1000pを取り除い使用していますが、同様に使用出来ます。変調回路はBSのアナログ変調と同等のワイドバンドでIC−R3でFBにバッチリ復調出来るものを搭載しました。プリント基板と部品配置は第3図と第4図です。

 送信周波数の微調整は多回転精密ダイヤル付VRてす。出力調整はLM317により、2.5〜6VをSC−1077の1段目・2段目に掛けて行っています。小さなケース(YM−130)の中の配線は、波が乗りやすく特に電源関係の配線は、シールド線を使用しました。送信RF部と変調回路は個々にシールドを、していない為と思われます。

 カメラのピン接続は、第1表でVHS用とベーター用を示します。本機はVHS用のものを採用しています。サブキャリアは6.5MHzです。その他は於保OMのものと同等です。

 使用してみて

  当局は此のセットに16エレ・ループ八木の組み合わせで、各局(JA1FZH・JH1JHN・JH1CTQ・JR1HAK・JE1XGC)共同様のセット(出力1Wワイドバンド)を使用してFBにQSO出来ています。連続2時間送信時、放熱器の温度は47.5度(ファン無し)です。放熱板には50℃・55℃・60℃・65℃で発色する、サーモラベルを貼り付けてあります。

 組み合わせのRXはIC−R3+TR3段AMP(ジャンクのBSコンバーターのIFAMP利用)です。此のRXの欠点は、感度が今一でサブキャリヤー受信の仕組みが1280MHz受信でダイヤルセットすると1286.5MHz/1273.5MHzで音声が復調されます。1280MHzのメインの周波数がQRHで変動すると、サブキャリャーも一緒に変動してしまい、常にQRHの補正が必要ですが映像の方は多少のQRHでもOKなので始末が悪くBFです。その反面以前から使用していたRXは、映像復調時に出てくる6.5MHzを専用の復調器で復調するので、映像が復調出来る範囲のQRHでは、サブキャリヤーの補正は必要なく非常に安定でFBです。帯域の狭い局とは一寸問題が有ります。送受信器のデビエーションを、簡単にセットの外部よりコントロール出来る事が必要条件です。 送信内容は、ビデオカメラ・デジカメの映像(CV−S101・QV−10A使用、型式は古いものです。FBに動いています)又アニメからモザイクものと中身の濃いもので、毎晩誰かが1280MHzで夜の更けるのも忘れて、ブーブーやっていて、ブーブー鳴かない日は、高い周波数帯で、千葉市の空は賑やかです。千葉端喜クラブは今も健在です。

  サーモラベルの入手先

  日油技研工業株式会社

本社・工場    埼玉県川越市的場新町 21−2

                TEL  0492−31−2103

 営 業 部    東京都豊島区南池袋 2−22−1(第三高村ビル4F)

                TEL  03−3986−4521

  大阪  支店    大阪市北区西天満 5−10−17(西天満パークビル)

                TEL  06−6361−5673

  サーモラベル使用上の注意

  サーモラベルは使用方法が適切でないと正しく示温しない事があります。

  1 貼り付ける面を十分きれいにしてから貼って下さい。

  2 汚れた手等で示温部に直接触れないで布等で軽く押して貼り付けて下さい。

  3 屋外、水、油、溶剤等の雰囲気のもとでの御使用はさけて下さい。


系統図

パワーアンプ回路図


変調部回路図

変調部部品配置図

回路図はBSCH(岡田 仁史さん作)、パターン図はPCBE(高戸谷 隆さん作)で作成されています。

回路図、パターン図をダウンロードする時はここをクリック